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“Boys be ambitious”

北海道の札幌市で育った私の実家は、羊ヶ丘展望台という観光地の目と鼻の先にありました。自然や散策が好きだったので頻繁にそこに訪れていましたが、とりわけお気に入りだったのは、有名なクラーク博士の銅像で、北海道大学にある銅像とは違い、仁王立ちして遥か彼方を指差しています。台座に刻まれているのがおなじみの「BOYS BE AMBISIOUS」の文字。それこそ博士が何をしたかなど何もわかっていない小学生だった私にとっては、これから身に起こることの全てがその言葉とその指さす先にあるような気がして、見上げる度にぞくぞくしていました。私にとって大きな志を持つこと、目的を掲げることは必要命題としてごく身近にありました。

目的意識を持つことの難しさ

マーク・ザッカーバーグの卒業生向けスピーチに目的に関する世代的な課題が言及されています。

目的こそが、真の幸福をつくります。社会を前進させるために、世代的な課題があります。新しい仕事を創造するだけではなく、新たな目的意識を創造することです。

目的意識の創造が世代的な課題であることは、多くの人が否定しないでしょう。一方で、現代においては目的意識を持つことが非常に難しいとも感じます。今日の僕らが生きる日本社会の環境は、物も情報も溢れかえっていて、人間のおよそ基本的な生活の水準は満たされている以上に満たされていると感じています。そんななか、改めて目的を持つというのは非常に難しくなってきていると感じています。

もちろん、周りを見渡せば、宇宙開発に取り組む人や、一次産業のために奮闘する人、高齢化社会の課題に取り組む人など、本当の志をもっている事例を簡単に見つけることが出来ます。しかし、一方で個人として何を成したいのか、なにをやったら良いかわからない、本質的な目的を見いだせない。だけどどうにかして目的意識を創造したいという人にも多く出会います。自分が一生うちこめるような領域や目的と出会うことは非常に稀有なことでもあると感じます。目的意識を持ちたいと思いながらも、それを決めきれずにいることは、単なる怠慢などではなく、それ自体がこの時代の強烈な社会課題なのだと感じています。

さほど大層な志など無くても、多くの人は生活していける世の中だろうと思います。しかし、そこに一矢報いて、予定調和のすごろくに賽を投げる、のではなく、ゲームのルールをつくりに行くようなサイコロを人生に激しく叩きつけることができると信じています。どれほどの人が働くことや生きることの目的を明確に定めているでしょうか。なぜそうしているのか?というシンプルな問いに、私たちは答えられるようになるべきだと感じます。

コミュニティによるアプローチ

だからこそノックダイスは、目的を持ちづらい現代において、より重要となった目的意識を創造するために、私たち流につくれる機会を提供したいと思っています。SDGsのような大きな社会課題のいち員になることに踏み出せるわけでもなく、スタートアップのように強烈な熱量をもってやりたいことが見つかっているわけでもない人。その中でも、何か目的意識をもって世のため人のために一歩を踏み出したいと思っている、その指針を探している人に対して、きっかけを提供したい。

そのための物理的な空間や、交流と文化を生み出すコミュニティ、また自分の手足で手触り感をもってプロセスをDIYする原体験と、それらを波及させていく仕組みが必要だと思っています。人が集まって出会って(ハングアウトし)、飲み語らって(ハングオーバーする)そこから目的意識が創造されるような、場・空間を創り、イベント創り、コミュニティ創りを仕掛け、発信していきたいと思っています。

 

株式会社ノックダイス 代表取締役

古川 央士